夏至 末候:半夏生(はんげしょうず)


「半夏」(はんげ)とは
「烏柄杓」(からすびしゃく)という草の別名です。
半夏が生え始める頃は
かつては田植え時期の目安でした。

「半夏生」(ハンゲショウ)別名片白草(カタシログサ)は
「半夏」(カラスビシャク)とは別物です。

暦の上で夏至の末候を「半夏生」といい、
この頃に地味な花が咲いて
葉が白くなることから、
ハンゲショウは
この名前で呼ばれています。

半夏生の葉が開花期に一時的に白くなるのは、
婚姻色なのでしょう。
マタタビの葉も、花の頃は白くなります。
白色はスポットライトの役目を果たし、
虫に見つけてもらって
花の蜜を吸われることで
花粉が受精しやすくなるように
変色するのだろうと
想像しています。

物を考えるのは
人間などの動物の特許のように思われていますが、
この婚姻色一つとってみても
植物は植物で
命をつないでゆくために
一生懸命考えているよなぁと思います。

からすびしゃくは、
早ければ4月の終わりには里山で見受けられます。
ウラシマソウを小さくしたような形で、
まるで釣り糸をひゅるりと投げた時のような
長いヒゲを出しています。

生憎我が家のカラスビシャクは
とっくの昔に花の時期を終え、
既に実が数十粒、ぎっちりと入っていました。

丸い塊茎は漢方薬になります。
半夏も半夏生も毒草ですが、
毒も適量なら薬となる良い例です。

実はへそくりの語源は
このカラスビシャクから来ています

茎から球茎が取れた跡が
へそのように窪んでいることから、
「臍刳り」(へそくり)という別名が付きました。
昔、農家の人達が
畑仕事の合間に
掘り貯めては
薬屋に売っていたことから、
こっそりとお小遣いを貯めることを
“へそくり”というようになったのだそうです。

「へそくり」と表現すると
小狡さが付いて回りそうな気がして
少し声が小さくなりそうですが、
租税から逃れたちょっとした収入の
実際の有り様は
とてもつましいように思えて、
ミレーの描く「落穂拾い」の主題に
近しい世界ではないかしら、と
思いました。



***

あなたが畑で穀物を刈る時、
もしその一束を畑におき忘れたならば、
それを取りに引き返してはならない。

それは寄留の他国人と
孤児と寡婦に取らせなければならない。
そうすればあなたの神、主は
すべてあなたがする事において、
あなたを祝福されるであろう。   
  
     旧約聖書 申命記 24.19


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花: カラスビシャク
器: 竹寸胴切

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