亡種 末候:梅子黄(うめのみきばむ)


近所をお散歩しながら、
いろんなお宅の植栽を見るのが好きです。

暦の上では「梅の実黄ばむ」ですが
実はどこのお宅も
既に実をもいでいらっしゃって、
梅の木はほとんど葉のみになっていました。

あんずのように
黄ばんで熟した梅が
まだ樹上にあるお宅も少しはありました。
お庭の様子を拝見するに、
もしかすると
そのまま
落果を待つばかりなのかも…と
人様のお宅のことなのに
要らぬ心配をする始末です。

しかし、いくらあんずのように熟しても
梅は生で食してはなりません!と
教えられるまでもなく、
生の梅の持つ毒以前に
あの酸っぱさでは
そのまま頂くのは無理な果実だと思っていました。

それが、
完熟すると
生食出来る梅が
あるらしいのです。

樹上で梅が真っ黄色になり、
皮の一部が赤く色付きはじめた頃
あんずとマンゴーとココナッツを合わせたようなお味で
甘さも十分、酸味も利いたお味になるそうで、
豊後系の梅だと伺いました。

ただ、樹上で完熟させるということは
風や雨によって落ちてしまう確率も上がるということで
おてんとうさまとのにらみ合い必須です。

生食できない梅にしても、
黄ばんで皮が赤くなり始めた頃の香りは馥郁として
梅と言うよりは桃に近く、
今日の朝の雨で
土の上に落ちてしまった梅を拾って
香りを吸い込んだら、
そのまま
ほうばってしまいたくなるような香りでした。

完熟すると
種に含まれている毒が消失するため
生食による弊害は少なくなるそうですが、
それでも果物として充分に甘くなるほどの梅の実は
稀であるには違いありません。

幻のような梅です。
一度で良いので
甘い生の梅を頂いてみたいものだなぁと思います。


20160615.jpg



花: 梅(白加賀)
器: 古瀬戸灰釉瓶子(平安時代)


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