亡種 初候:螳蜋生(かまきり しょうず)


一番最後に見たカマキリは
本物の生きたカマキリではなく、
若冲の拓版画「玄圃瑤華」(ゲンポヨウカ)だったように思います。


玄圃瑤華 伊藤若冲自画自刻 江戸時代・明和5年(1768) 東京国立博物館蔵

若冲53歳の制作で、拓版摺という技法を用いている作品です。

拓版摺は、
通常の版画のように
版木に絵具を塗りつけ、
その上に紙をのせて刷り込むのではなく、
何も塗っていない版木の上に紙をのせ、
その上を墨をつけたタンポで叩いて
絵柄を出す、珍しい技法です。

版木に絵の具をのせるより、
叩いて黒色を重ねてゆくことで、
確実に!思う濃さまで
黒を、いや黒と白を
描きたかったのでしょうか。
想像が膨らみます。

画集の名前の「げんぽようか」ですが、
「玄圃」は神仙に通じる崑崙山(こんろんさん)にある
理想郷の中腹台地を表し、
また「瑤華」は玉のように美しい花のことだそうです。
(芸艸堂「若冲画譜」より引用)

昨今の若冲流行りで
恐ろしく混む展覧会には
足が遠のいていますが、
もう10年以上も前になるでしょうか、
初めてプライスコレクションを目にした時の驚きは
忘れられません。
鳥獣花木図屏風 の前に立ち、
「この人は現代からのタイムトラベラーなのではないか」と
同行していた家族は驚嘆しておりました。
なかなか上手い事を申します。


20160605.jpg



花: ゆすらうめ レンゲツツジ クガイソウ
器: 虎竹花籠


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