小満 末候: 麦秋至(むぎのときいたる)


石原吉郎 「麦」


いっぽんのその麦を
すべて苛酷な日のための
その証しとしなさい

植物であるまえに
炎であったから

穀物であるまえに
勇気であったから

上昇であるまえに
決意であったから

そうしてなによりも
収穫であるまえに
祈りであったから

天のほか
ついに
指すものをもたぬ

無数の矢を
つがえたままで
ひきとめている

信じられないほどの
しずかな茎を
風が耐える位置で記憶しなさい


     ***

麦秋と書いて「むぎのとき」と読むなんて
ほんとに日本語って…と
ほれぼれしていました。

「秋」という言葉は
今でこそ季節を示しますが、
元来は収穫を祝う神祭りに関係していた言葉だそうです。
なので今時分は
「麦にとっての秋」なのではなく、
麦の収穫のことほぎの季節なのですね。

梅雨の前の
湿気の少ないほんのひと時
麦は刈入れの季節を迎えます。
実る程にこうべを垂れる稲と違い、
同じイネ科でも麦類は
細いヒゲまでもピンピンと立てたまま
収穫を迎えます。
本当に、美しい姿です。


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花: ライ麦 葡萄(シャルドネ)
器: バンチェン土器

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