雑草考


和辻哲郎は 著書「風土」の中で
「ヨーロッパには雑草が生えていない」と書いています。

意味がわからないなと
高校生の当時は思い、
そのまま忘れてしまっていましたが、
5月のドイツの街道を
連日車窓から眺めていた際、
突然、荷風の言葉が脳裏に浮かびました。

確かに、
日本のようには雑草が生い茂っていないのです。
お手入れをしているようにも見えません。
連綿と続く畑も牧草地も
敷地境に植えられている針葉樹の並木も、
開墾され一旦人の手が入った後は
おのずと絵に描いたように整っているのではないか、と
思うほどです。

日本は、
空き地も路肩も
隙間さえあれば雑草が茂ります。
夏の頃、
コンクリートや廃墟を
静かに覆い尽くそうとしている葛など目にすると
一瞬、恐ろしささえ感じます。

昨今の亜熱帯に近いような温帯の日本と、
温帯とはいえども冷涼で乾燥している欧州の
自然に対する畏怖の思いの在り方の違いは
このようなところからも生ずるのでしょう。

そういえば
マルセイユと札幌の緯度はほぼ同じです。
南から北上してくるメキシコ暖流と地中海のお蔭で
緯度のわりに暖かく、
夏も湿度が低く涼しめなせいもあるからか
いまだヨーロッパには
日本程クーラーが普及していません。
大きな5つ星ホテルでは気にする必要もありませんが、
宿によっては
予約の際に
「シャワーだけじゃなくてお風呂もありますか」?
と確認するのと同じぐらい
「エアコンありますか?」と聞きます。
内装は素敵なのに
結構な確率で
そのどちらも備えていない事は
とても多いです。

そうは言っても盛夏の頃は
部屋に日中の熱気が籠り、
冬の寒さ対策ゆえの
小さな窓では
換気が十分出来ずに閉口することもあるので
要注意!です。


20160524.jpg

花: 十薬 蛇苺
器: 一重切 銘 初音





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