花の死体


ある時、知人宅を訪問した際
娘さんが
ぼそりと呟きました。
「お花なんて。
花の死体を並べて何が嬉しいんだろう」

ぎょっとしました。

彼女のお母様は
フラワーアレンジメントのお仕事をなさってて、
大きな仕事も請け負っていらっしゃると聞いています。

彼女が小さな時から
お母様はきっと
仕事がお忙しかったのでしょう。

山と積まれた美しい花々を相手に
立ち動く母親の姿を目にする
幼い彼女の姿が
いとも簡単に想像出来ました。

花一つ取って見ても、
人それぞれの思いがあります。
他人から見れば奇異に見えても、
それがその人にとっての「本当」です。

両手に花を抱えて
上気した様子でご説明下さるお母さまと裏腹に、
娘さんの無表情な立ち姿に
言葉を継ぐこともできませんでした。

花の善さに
出会える日が、
彼女にも訪れますように。


20160530.jpg


花: 春咲き秋名菊
器: 唐銅 龍耳花入

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