風を切る


最近インスタグラムを始めて
いろんな方の入れられた花を拝見しています。
秋海棠の花が盛りなので、
多くの方が使っていらっしゃる中、
あ、素敵な感性だな…と思う時は大抵
大きな秋海棠の葉っぱが
風を切るようにぴっと入っています。

普通にぽんと入れると
通常は、重力のままに
大きな葉っぱの先っぽは
下を向きます。

秋海棠は明るく優しい雰囲気の花ですが、
だらんと下がったままだと
浮世の芥を一身に背負って
その重みに耐えかねて
肩を落とし下を向いているかのように見えるのは
花に人を重ねてしまうからかもしれません。

大きな葉っぱは
重いので下に向きやすい上に蒸散も激しく
水が落ちやすいので
しおれやすいのです。

摘んできたら足元をしっかり叩いて
数センチほど水揚げ剤に浸し、
葉裏から霧吹きをしっかりと打って
全てすっぽりと新聞紙に包んで深水に取り
数時間しっかりと水を上げた後に器に入れると
葉の勢いを保てます。

ダンサーが腕を横に伸ばして
指先を揃え手の甲をしならせるごとく葉先を保つと
秋海棠の美しさは
途端に際立つように思うのです。

結果論ではありますが、
秋海棠やおもだかの葉は
風を切るように葉先が横を向いていると
恰好良いのです。
ただ、こういうことは、
理屈を知って「葉の向きはこう」
とするのではなく、
美しい物を見たり
美術館で絵を観賞したりして養う
いわば感性の司る部分なのだと思います。

ただし
すっと入れてそのような角度に留めるには、
水の中に納まる足元の部分が
ちゃんとそのように出来ていないと
思いに反して相変わらずくるんと葉先が下を向いてしまいます。
こういう留める能力は
トレーニングで養う筋肉みたいなもので、
いろんな花をいろんな器に
妥協することなく丁寧に留めることを繰り替えすことで身につく
技術の司る部分なのだと思います。

センスだけでも技術だけでも
花は入りません。



20180907.jpg


花: 秋海棠 紅水引 野紺菊 長芋蔓
器: 逢源斎作 竹一重切
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2 Comments

Naomy  

#ikebanaのタグがないのが、もったいない。

2018/09/16 (Sun) 22:14 | EDIT | REPLY |   

えるて  

Naomi さま

> #ikebanaのタグがないのが、もったいない。

Σ(゚Д゚) 

ひゃぁ!
なるほど!
参考になります。

始めてまだ2週間弱。
写真だけの丸腰のままでいたら
「タグをつけろ」と
知人に言われて慌てて付けてみたものの
どうも感性が足りておらず orz…

ありがとうございまする。
感謝感謝

***

寂しさと悲しさがあることで
己が生きていることを
実感させられますね。

鰹節を陰膳に供えつつ(合掌)


2018/09/17 (Mon) 02:29 | EDIT | REPLY |   

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