風の松原


青森の黄金崎に向かう道中
どこか寄り道をしたく思っていたところ、
能代のお寿司屋さんで
風の松原の話題になりました。

風の松原は東西の幅1km、南北に14kmの広い土地に
700万本もの黒松が松林を形成していて
砂防林としては日本最大です。
日本五大松原にも数えられていて
秋にはきのこ狩りも楽しめるのだそうです。

古くから能代の海岸は
砂による被害の大きな土地でした。
家屋も農地も強い海風による飛砂で埋没し、
川も閉塞してしまう程だったため、
塩害に強い松が植林されてきた経緯があるそうです。
海岸沿いは元々ハマナスの大群生地でしたが
バラ科に特有な素晴らしい香りの花のため
明治の頃には香料の原料として
過剰採取されたために松原が衰退し、
その結果国が造林に乗り出したそうです。

町から近いので気軽によってみたところ、
それはそれは見事な松林が広がっていました。
大木ばかりが立ち並んでいるものの
まっすぐな物はほとんどなく、
海風の強さが伺い知れます。

kazenomatsubara.jpg


そういえば以前、
ボルドーから車で1時間程西の
アルカッションの南にある、
ヨーロッパ最大のピラ砂丘(la dune du Pyla) に向かう道すがら、
延々と続く松林に驚嘆したことがあります。
規則的に植えられたその松に
防砂林というものを初めて認識しました。
同時に、それまで松という木を
どこか日本的な樹木のように思ってもいたことを自覚しました。
実際は北半球に広範囲に渡って松は生えていて、
フランスでも防砂林として植えられているのです。

ピラ砂丘は標高が100m以上もあって見上げるほどです。
さっさと靴を脱いで
裸足で砂丘を登っている西欧人達も多い中、
階段を使っても
靴の中に砂が入って来た為
あれこれ大変だった記憶があります。

しかし、ひとたび登りきると
その眺めの壮大さに息をのみました。
目前に広がるのは
海に向かって緩やかに落ち込む砂の斜面と
太平洋の大海原に青い空。
後ろを振り向くと今度は
深い緑の松林が一面に広がる広大な景色です。

登り切った人達が肩で息を切っているのに対し、
誰かが連れてきた
バーニーズマウンテンドッグだけが
砂を物ともせず
喜び勇んで走り回っていたのを覚えています。

防砂林のため植林されたものに限らず
海岸近くにはえている松で
風で折れて落ちてしまった枝を
何度か拾ってきたことがあります。
四苦八苦して器に合わせようと努力するのですが
海風に耐えてきた枝は野放図で
大抵の場合は手に負えません。
わかってはいるものの
風の松原に落ちていた松の一枝を
持ち帰りました。
やはり、どうにもこうにも難しいと諦めかけた頃
青い松ぼっくりが夏の強烈な個性と
会話してくれて
ほっとしたところです。

20180727.jpg

花: 向日葵 松 凌霄花
器: 家族作縄文土器


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