ちょっとした試み


美術館の楽しみ方は人それぞれでしょうが、
自分の想像する「家」や「場」には不似合いな程大きな屏風、
実生活で使うことが考えられない程
にぎにぎしく派手な道具などは
身に引き寄せて観ることができないからか、
強く惹かれることが
少ないように思います。

逆に、
吸い寄せられるように
心がぴたりと寄り添う品には
もしもこれが手元にあったら
あぁしてこうして、
こういう部屋のこういう雰囲気で…と
知らず知らずのうちに
あれこれと室礼の組み合わせを考えてしまいます。

物欲は強くはない方なので
美術館からそのまま骨董屋街に走ってしまうことなどは
ほとんどないのですが、
そうは言っても
花の器に使えそうなものは
国宝だろうと重文だろうと
一度これに花を入れてみたい…と思う品も
少なくはありません。
こんな花あんな花と
銘品を目の前にあれこれ妄想して
陳列の前から動けなくなってしまいます。


先日、上野のトーハクに出向いた際、
16世紀、桃山時代の信楽の花入れが
二つ並んで陳列されていました。
片方は、片身代わりの筒型、
もう一つは蹲(うずくまる)です。
先日の中西洋人さんの器に入れた山紫陽花を
この蹲るに移したら
合うのではないかしら、と
いたずら心が湧いてきました。

ajisai1.jpg

画像を切り張りして、
うずくまると合わせてみました。
長い時間を経てきた品と
咲いたばかりの花とが
時間の隔たりを結んでくれるように思います。

器に対してもう少し花が沈んでも良いように思いますので、
動かしてみます。

ajisai3.jpg

器の口辺を
葉っぱで隠さずに済む程度に花の位置を落とすと
安定感が出たように思います。

では、逆に
高く入れるとどうかというと

ajisai2.jpg

悪くはないのですが
口辺がスカスカしてしまいますので、
何か軽めの花や蔓物を
足元に加えた方が安定感が増します。


画像での遊びなので、
高さの上下や
草木の量の多寡ぐらいしか整えられないのですが、
自分の手持ちの器だけでは経験できないような
器と花合わせの勉強にもなり、
何かがはっきりと立ち上がって見えてくるように感じます。


20180515.jpg


花: 小葉の随菜 白花紫蘭 山紫陽花 都忘れ 丁子草 春紫菀
器: 唐物写脛当手付花籠 竹良斎

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