バタークリーム


バタークリーム のケーキ、というと
多くの昭和産まれの方々が想像するのは、
子供の頃に頂いた
生クリームの代用の
あまり美味しくないケーキだと思います。
生クリームは美味しい、
バタークリームは不味いというのが定説でした。

私にとっても苦手な物の一つでした。
なんとなく美味しくないのは
それもそのはず、
バターをちゃんと使うとコストがかさむので
バターの何割かを
ショートニングという植物性の油脂に
置き換えられて作られたものが
殆どだったからです。
ショートニング自体、
美味しくもなんともない半固形の油脂分です。


では本来バターは、というと、
原乳を静置した後に
上層部にふわっと浮かぶ生クリームを取り出して、作ります。
すくった状態での生クリームの乳脂肪分は、
100ccの中で、35%ぐらいでしょうか。
つまり65%は水分なので
撹拌する事で乳脂肪球同士をくっつかせ、
その結果
塊となった脂肪球から
分離した水分を抜いて出来るものなので、
原料は生クリームと一緒です。

それ故、お味の良さは
生クリームに劣ることがありません。
基本的には味の良し悪しではなく、
乳脂肪分の量と
乳脂肪の存在のあり方が違うがゆえの
質感が異なる食材なのです。

水分の中に浮いていた細かい脂肪球を
塊にして水分を抜いた分だけ
重い食感にならざるを得ないバターを、
今度は空気をふわふわに含ませることを目的として
再度攪拌し、
その上で卵白のメレンゲを加えることで
より一層空気の軽さを与えた物が
本当のバタークリームです。
この本物のバタークリームは
濃厚さと軽さの絶妙なあわいにある
とても美味しい物です。

初めて口にした時、
上記のような説明を何も受けたわけではなかったのですが
瞬間的に
「これは、本物のバタークリームなのだ!」
と理解しました。
同時に、
幼い頃食べたあのバタークリームは
まがい物であったことも悟りました。

昨今は質の良いバターが手に入りますので、
目の覚めるような美味しいバタークリームと出逢うことが
時々あります。
フランスのエシレやボルディエのバターで作ったものは勿論ですが、
国産の物を使用する際は、
私は冷凍で売られている無塩のカルピスバターを使います。
通信販売でも手に入るのではないでしょうか。

このバタークリームには、
生クリームにない利点があります。
日持ちがする上、冷凍しても
味が落ちにくいのです。

それを良い事に、
余裕のある年は
お世話になった方々に
バタークリームでデコレーションしたクリスマスケーキを作り
宅急便で発送しています。

20171225.jpg

これは雪の結晶文様ですが
写真では黒く見えますが、
実際は濃い紫と、ブルーグレーの
大人っぽいデザインです。

バタークリームはそのままでも美味しいのですが、
スポンジの間にはさむ用のバタークリーム には
味にパンチの効いた
コーヒーやフランボワーズ、レモンなどの
バターの濃さを中和してくれるような物や、
アーモンドやピスタチオなどの
バターの芳醇さに寄り添いやすいナッツのペーストを加えると
とても美味しいです。 

発送する際に気をつけねばならないのは、
ケーキの型崩れです。
そのためには
台紙が箱ピチピチに作ってあって
ケーキが箱の中で揺れにくいようなケースを選ぶこと。
台紙にバタークリーム を絞って接着剤がわりにした上にケーキを乗せて、
台紙とケーキを一体化させること。
デコレーションが終わったら
冷蔵庫でクリームがガチッと固くなるまで
数時間冷やすこと。
ケーキのケースがなるべく揺れないように
ダンボールや発泡スチロールの隙間を何かで充填すること、
ぐらいでしょうか。

生の果物をデコレーションやクリームの間にはさむのは
発送用にはオススメ出来ません。
果物から水分が出ることで
変質や劣化を起こす可能性があることが
怖いからです。

召し上がる際は
冷凍している場合は冷蔵庫で一晩かけて解凍し、
その後冷蔵庫から出したら30分ぐらい室温に戻して召し上がると
クリームがほんわりと柔らかく
美味しく召しあがれるかと思います。

デコレーションに失敗しても
比較的やり直しが効きやすいクリームです。
細かい絞り出しにも適しているクリームなので、
時間のたっぷりある時にお試し下さい。



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