私を探さないで


自然に咲く花を摘み
器に入れるようになって、
遠方に出かける際にも植物に目を向けることが増えました。

花屋には絶対に並んでいないような可憐な花、
どうやってこの形に…と思うような
不思議な形の葉っぱ、
どきりとするような色彩の実。

東北の大きな蕗の葉を見ては
コロポックルの傘だ!と感激し、
信州で初めて浦島草を見た際は
くさむらからヘビが鎌首をもたげたように見えて驚き、
四国の山中で山芍薬の実と出会った際は
この妖艶の権化のような姿は
なにごとだろう…とため息が出たのを思い出します。

今は初物の感動は随分減ってしまいましたが、
そのかわり珍しさや奇抜さよりも
清らかな空気感に惹かれるように変化しています。

何事も一長一短だなぁと思います。


富士アザミは
静岡や山梨の方にとっては
珍しくもないでしょうが、
これも初めて目にした際は
普通の野アザミの5倍も10倍もある大きな花で、
株立ちしている為
あざみだとは思いもしませんでした。

日本で一番大きなあざみだそうです。

現代に生きている私ですら
こんなに驚くのですから、
江戸時代、富士山信仰が盛んだった頃
登山に訪れた富士講の人々は
どれ程びっくりなさったことだろう、と想像してしまいます。
「江戸八百八講 講中八万人」と言われる程
江戸には沢山の富士講があったそうで、
富士山に行くための貯金を毎月していた程だそうですが、
富士あざみのような大きく鮮やかな花を目にしたら
「さすが霊験あらたかな富士の御裾、咲いている花も普通じゃぁなかった」と
お土産話が一つ増えたに違いありません。

あまりに大きいので、
一瞬、外来植物か?と思いもしたのですが、
これが不思議なことに
日本原産の草花は
何となく、
何とはなくなのですが、
それとわかるのが自分でも不思議です。

富士アザミを八ヶ岳から摘んで帰り
器に放ってみたところ、
その姿が人のように見えて仕方ありません。
振り払って
「私を探さないで」と訴えているかのようです。


20171021.jpg

花:富士薊
器:弥生土器
板:西大寺 毘沙門堂 古材

トゲトゲしく、指を痛めることの多いアザミも
春先の葉の柔らかいころは
てんぷらやお浸しにして頂けます。

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2 Comments

みゅうぽっぽ  

お早うございます!野に咲く花は楚々としていて美しく私も大好きです!富士あざみ、大きいですね!でもなんと言えばいいかわかりませんが日本原産の植物、胃と会い、佇まい、、外来種とは違いますね!大事にしていかないといけないと思います。野の花は土器の花器が良く似合います!!

2017/10/23 (Mon) 08:41 | EDIT | REPLY |   

えるて  

みゅうぽっぽ さま

フジアザミ、大きな花は女性の握りこぶしぐらいあります。その上株立ちして20個以上咲いてたりします。多年草でもあるので、端の方の一本を切って持って帰りましたが、イガイガぶりも半端ありません。

2017/10/24 (Tue) 10:48 | EDIT | REPLY |   

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