花留 又木(またぎ)留め ①


又木留めという花留めの方法は、
木密(こみ)とも呼ばれます。
流派生け花でも
お生花(しょうか)と呼ばれる
床の間などに格式高く
まっすぐたてるような型の花を
円筒形の花入れにいける際に用いる
正統派花配りです。


又木留めは
木の枝のY字になっている
狭い「又」の部分を利用するか、
2本の枝をV字に組み合わせて用います。

matagi_sample.jpg


もしくは、太い枝の途中をワイヤーで巻いて割れ留めをし、
枝をワイヤーまで縦に2つに割って
Y字を作って用いる場合もあります。

matagi_wari.jpg


又木留めでお生花を入れる際には
枝を入れ終わった一番最後に隙間があれば
張り木を横に渡して枝を留めます。

matagi_4.jpg


又木と入れる花がぴったり合っていれば
張り木は物理的に必要はありませんが、
この張り木さえなければ
十文字を狭く組んだものと
あまり違いはありません。

それ故なげいれの花を入れる際
私は頻繁には使いません。
竹の寸銅切などに
すくっと立てるように入れたい時に
使うぐらいです。


家族から花を習ったことはないのですが、
祖母は生前に
剣山は略式だ、と申しておりました。
へぇ、そんなものかしら、
と若い頃は気にもとめませんでしたが、
現代の、剣山に刺したお生花が
前から見ると
足元が一点に集中しているように見えるのは、
横から見た際に
この又木の隙間に前から順々に草木を詰めて入れた結果
直線に並んでいることを
剣山上で行っているからなのだと
合点がいきました。

曽祖母の残した花道具を見ると、
七宝や亀甲などはあっても
剣山がありません。
剣山は新しい花留めなのだなぁ、と
古びた花留め具を見て
思ったことです。

「和英 日本の文化・観光・歴史辞典」では
木密のことを以下のように書いてあります。
上手な説明だなぁと思います。

komi.jpg


美術館で、名前や解説を書いた文章を読んでも
今一つピンと来ない時、
簡単な英語の説明を読んだ方が
なるほど!と日本語の説明より
むしろ分かりやすい事ことが時々あるのですが、
それと同じことだと思います。


次回に続きます


20170427.jpg


花: 熊谷草
器: 古銅 華瓶(江戸期)


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2 Comments

nonohana626  

熊谷草

熊谷草、いいですねえ。
私は、基本的には投げ入れで花をいけています。
ですから、止めるための道具は使いません。
しいていえば、水が止めてくれているように思います。

2017/04/27 (Thu) 18:43 | EDIT | REPLY |   

えるて  

nonohana626  さま

こんにちわ
はじめまして ^_^


> 私は、基本的には投げ入れで花をいけています。
> ですから、止めるための道具は使いません。


草木を水に放つだけで、
器や草木の形状に由来して
自然に留まっている姿は
そこに人の「我」が存在しにくいので
透明で美しいですよね。

植物と器にとって
良い関係を結べているのなら
それが一番で、
作為は少なければ少ない程
目にも優しいなぁと感じます。

ただ、それだけでは済まない時に
知識と技術として必要なのが
花留めの方法です。

花留めの数々を知っていて自由に使いこなせて
その上で使わないで済むのと、
知らないで技術がなくて
使えない、使わないのとは
天と地程の違いなのです。

水には放てても
水では留まらないからです。

なんぞお役に立つことが
書けていればよいなぁと思いつつ ^_^

2017/04/28 (Fri) 13:34 | EDIT | REPLY |   

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