心眼で見る線 ⑤


先日、同じ花を二つの器で比べましたが、
左の壺花の方が
花と器が融合していると感じている人が多いのではないか、と
書いたかと思います。

20170317_1.jpg


「入っている花」の線を鑑みると
壺の方が適しているのではないか、ということであって
右の備前の器の方が
左の壺よりも劣っているという意味ではありません。

今一度、右の備前の花を見てみてください。

20170317_1_2.jpg


今日は、器の描く線と植物の描く線の融合に注目してみたいと思います。


まっすぐな線の器に、長い直線の植物。
まっすぐな線の器に、短い直線の植物。

まっすぐな線の器に、長い曲線の植物。
まっすぐな線の器に、短い曲線の植物。

まぁるい線の器に、長い曲線の植物。
まぁるい線の器に、短い曲線の植物。

まぁるい線の器に、長い直線の植物。
まぁるい線の器に、短い直線の植物。


曲線と直線は、相反するものなので、
丸い器には曲線のある草木、
まっすぐな器には素直な直線の草木を合わせると
楽に添うことがわかります。

ただ、相反するもの同士も、
量を加減すれば
スパイスになって
むしろ個性的で素敵です。

実際には、うつわの中に
直線も曲線も潜んでいるからです。

そして、添い難い物も、
ボリュームに加減をしたり
長さが短ければ、そんなに目に立ちません。


そして、角度として垂直の関係は
目に強く当たります。

縦長の器には、縦長に。
横長の器には、横長に植物を添わせると
目に当たりません。

同時に、目に強く当たるものを
上手に利用すれば
とても印象的な花になるでしょう。


20170317_4.jpg


この器に合うように、
花を足したり引いたりしてみました。

どうでしょうか。
長く奔放な枝が減ることで、
器が花を支えやすく、
ラクに入っているように、私には見えます。
小さな蕾や花が入ったことで
複雑さも出ました。


比べてみて下さい。

20170317_2.jpg


目の前の器が、
どのような花を引き受けられるのか。
どの程度のボリュームを受けとめきれるのか。

沢山の花、大きな花を
受け留めきれないことが
悪いわけでも劣っているわけでもなく、
それがその器の個性なのですから
それをいかすことに万全を尽くせば良いのではないでしょうか。

「良い花の入れ方」なぞありませんが、
より良い風の吹く方角を探すことは
誰にでも出来ることだと思います。


20170324.jpg


花: 接骨木 山躑躅 和蘭芥子  (花の名前の読み方は、画像にカーソルを合わせると出て来ます(PCのみ))
器: 松嶋弘作 備前壷

写真を撮った際、ヤマツツジはまだ蕾でした。
今は花が咲いて、色と面は増えて華やかになりました。
そのかわり、躍るような枝の線は随分消えました。
そういう時間の経過や花の咲き方の変化を想像しながら見るのも、
楽しいかと存知ます。
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