小寒 末候:雉始雊(きじはじめてなく)


日本の国鳥をご存じですか?

第二次世界大戦後
GHQが調査をした際、
当時の日本には野鳥が少なかったそうなのです。
戦時中の食糧難の時代に、
捕食されてしまったのかもしれません。
野鳥保護の観点から狩猟法を改定し、
その後「国鳥」を定めたそうです。

国鳥は「きじ」です。

鶴か、それともトキかしらと想像していたので
以外でした。

何故ならば、子供の頃
年に一度は食べていたからです。

「きじごはん」は、
きじの肉を1cm角に切って、
人参や牛蒡や椎茸と一緒に炊き込んだ
一種の五目ごはんです。
色味は鶏肉に近かったように記憶しています。
狩猟をなさるお宅からの到来物で、
ハランの葉が敷き込んであるお重に
たっぷりと盛られた炊き込みご飯は、
子供にとっては
馴染んだ自家の味付けや
品合わせとは
微妙に違う違和感へのわくわくも含めて
毎年冬に頂戴する
野趣味あふれるご馳走でした。

私はキジをジビエとして食べた経験しかなく、
実物を見たことはないのですが、
オスは長い尾や極彩色を身にまとった
美しい鳥だそうです。

キジという字を見てみると
偏は音符の「矢」、
旁は、鳥を横から見た状態に由来する「隹」(とり)から出来ている文字です。

矢の動きを考えればすぐにわかるように
射られれば数十メートルは飛んで、
その後地面に落ちます。
つまり「雉(キジ)」という文字は
「矢のように飛ぶ鳥」という意味を表す漢字で、
それも雄のキジの飛び方をよく表しています。
短い距離をだーっと飛んで、
すぐに地面に降り、
飛ぶよりもむしろ歩く方が得意で
走る際は時速30km以上にもなるそうだからです。

飛ぶよりも歩く方が得意な鳥、というと
ニワトリを思い出しますが、
それもそのはず、
同じキジ科の鳥です。
キジ科の鳥は他に比べると
体型がまるまるとしている物が多く、
空を飛ぶよりも地上生活に適するように
太ももがしっかりとした種類の鳥が多いそうです。
キジもニワトリも、
七面鳥やうずら、
ホロホロ鳥に雷鳥なども
どこぞのレストランのメニューに載っているようなものばかりです。
キジ科の鳥は食用に適しているのかしら…と見ていたら、
クジャクもキジ科に属していて、
あぁ確かに、飛ぶというよりは地を歩いているなぁ、と
先日訪れた八重山諸島の
野生のクジャクを思い出しました。

八重山諸島にはもともとクジャクは生息していなかったそうなのですが、
鑑賞用として外国から持ち込まれたようです。
そして、管理の不備によって脱走したクジャクが
天敵の少なさや気候の温暖さから
野生化して
増えてしまったそうです。
駆除の対象になっていて、
例えば昨年の小浜島での捕獲数は年間数百羽と、
カラスよりも多いとのことでした。

クジャクはただただ
人の都合で鑑賞のために連れて来られ、
人の管理の甘さから野生で繁殖し
その結果
人の都合で駆除されるのです。

話はかわりますが、
時々通る道で、
誰かが自宅で面倒見切れなくなったアロエが
街路樹の足元で
年々渦を巻いて大きくなってゆき、
植え込みのツツジを凌駕するほど
大きく育っています。
そろそろ、街路樹の剪定の際に
一緒にばっさり切られてしまうんだろうなぁと
見遣っています。

八重山のクジャクも
渋谷のアロエも、
ある意味同じだなぁと思う、冬の日です。


20170115.jpg

花: アロエ
器: ジョージジェンセン

今、アロエの花のシーズンです。
独特の花が、雄キジの赤い頭のように見えました。  




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4 Comments

おけい  

きじごはん、懐かしいです!
あたしも子供の頃、年に1-2度は食べました。ごはんだけでなく、醤油味の吸い物で食べたこともあります。どちらも必ずゴボウが入っていました。

母の介護で滞在する弟の家の庭で、何度かきじを見かけました。きじごはん食べたいなあとつぶやいたら、弟にここは禁猟区だよと叱られましたが、本当にあの美味しいごはんは忘れられません。

先日、新潟の青首鴨を目当てにコートドールに行きましたら、新潟で鳥インフルエンザが出たので、今年は取り寄せていないと言われ、がっくりでした。フランスでも鳥インフルが出ているみたいで、ブレス産の鶏やフォアグラも輸入禁止になっているそうです。

2017/01/21 (Sat) 10:39 | EDIT | REPLY |   

えるて  

おけい さま

おけいさま、こんにちわ!
今年もよろしくお願い申し上げます m(__)m

やはり、ごぼうは大切ですよね。
根菜の野趣味は
ジビエには欠き難いと思います。

同じく到来物に
「うさぎごはん」がありました。
こちらの方は、臭い対策にか
人参や牛蒡やしいたけ以外に
生姜が使われていたように思います。
これも、表現しがたい
美味しさだったなぁと回想してみて思うに、
狩猟の物を料理上手の素人が調理すると
なにか、頂いていて
細胞に訴え掛けられて
ざわざわっとするお味になるよなぁと
思います。
プロはそのあたり、
良くも悪くも食品としてきっちり納める感があります。

私は本当に何も知らなかったのですが、
オスのみが狩猟対象で
メスは禁猟なのですね。
それでも、
国鳥が狩猟対象になっている国は
限りなく少ないそうです。


介護疲れなど
お出になられませんように。

コートドール、またご一緒したいです ^_^

わたしはnomaで丸焼きの青首を頂いてきました。
そのお話は、またの機会にでも。

2017/01/22 (Sun) 02:39 | EDIT | REPLY |   

S氏  

自分の家の庭のまわりでも毎年キジをを見かけます。
時々つがいでいる様子も見かけたりもします。
昔はキジも食べていたのですね。
どんな味なのか気になります。(笑)
雄キジの頭の赤のようなアロエの花、素敵です。^^

2017/01/23 (Mon) 20:38 | EDIT | REPLY |   

えるて  

S氏 さま

こんばんわ ^_^


きじを食べようと思ったら
猟師さんにわけて頂くか
野鳥を扱う焼き鳥屋さんか
フランス料理屋さんですよね。
鳩も雷鳥も雉も鴨も、
丁度シーズンです。

私はタイミングが合わず、
ご相伴に預かってはいませんが、
今も実家には
到来物があるのだと思います。
とはいえ、猟をなさる方も
代替わりなさったに違いありません。

2017/01/23 (Mon) 23:36 | EDIT | REPLY |   

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