八寸


家で行事があると、
怒涛のごとくお客様がいらっしゃり、
その為の酒の肴や
お食事を作るバタバタに
子供の頃から巻き込まれて育ちました。

なので、私のお料理は実用本位。
可愛げなぞ、全っくありません。
菜箸でちまちま混ぜるよりは
素手が一番の混ぜ道具計り道具。
瓶の注ぎ口の指の塞ぎ具合で
ぴっぴっとお醤油を測るような按配です。

育った環境の影響かはわからないのですが、
実家を出た今も時々
大人数のお客様をお招きすることがあります。

おしゃべりのお供に
お食事をお出しするのですが、
和食の際
作る側の私の楽しみは
何と言っても「八寸」です。

見目も綺麗に
色とりどりに、
しょっぱいもの、甘いもの、
酸っぱいもの、ほろ苦いもの、
ちょっとお腹に溜まるもの、
旨味の強いもの。

そういうことと共に
季節の取り合わせを考えることに
パズルのような楽しさがあります。


元々、茶懐石の後半に出てくる「八寸」は、
一期一会の好機を得て
主となり客となった
その喜びをこめて、
主客共に、最もくつろいで
亭主と客が盃をかわす場面で、
酒の肴として出される山海の珍味をいいます。

正式には、一辺が八寸(24cm強)四方の杉のお盆を使い、
海のもの(なまぐさのもの)と山のもの(お精進のもの)を
盛り合わせ出すことが決まりとされています。

お濃茶を頂く際に空腹では
胃も痛めますしお茶の旨味を堪能できませんので
小腹を満たすため、
つまり、お茶を楽しむために頂くのが
「懐石料理」です。

そして同じ読み方ですが、
お酒を楽しむための宴席に頂くのは
「会席料理」です。

室町期に武家に始まった本膳料理が
その荘厳さや煩雑さから廃れた現在、
儀式などで出される
もっとも正統な
日本料理の形式です。

酒の肴である八寸と、
お通し、先付け、突き出し、
これら懐石や本膳を崩したものが
会席料理で相まって、
現在の日本料理の
お酒によく合う前菜の盛り合わせも
「八寸」と呼ばれたりします。


毎日朝も夜も台所に立つことは、
得意不得意には関係なく
しんどいことも多いです。

そういう時、
盛り付けたくなるようなお皿や
食材の美しい色彩や形は
随分と慰めになってくれているなぁと思う、年末です。



20161227.jpg


以下、写真の品の簡単な作り方です

ワラビの油揚げ巻き
ワラビと油揚げを丸ごとお醤油と出汁で煮含めた後、
油揚げの三辺を切り
袋状になっているのを一枚に開いて
一緒に煮たワラビを芯にくるくると巻いた後
切り分ける個数程巻き終わりを爪楊枝を刺して留め、
包丁で切り分けます

錦卵
堅茹で卵を白身と黄身に分け、各々裏ごしし、
それぞれにお砂糖とほんの少しの塩を入れてふんわり混ぜ、
用意した型の中に白身を隙間なく敷きつめ、
その上から黄身をふんわり入れた後、
5分ぐらい蒸すか、もしくは
ラップをして湯気が出る程度にレンジで加熱します


キュウリと蛸の串刺し
キュウリは軽く塩をして甘酢に漬け、
タコと同じ寸法に切って爪楊枝で串刺しにします


栗のいがぐり揚げ
薄甘く煮てある栗に薄く片栗粉をはたき、
小麦粉と水をとろみがつく程度に混ぜた物にくぐらせ、
2cmに折ったお素麺を衣に見立ててまぶし、
お素麺が色付くまで揚げます


かぼちゃの甘煮
一辺が3cm強の四角に切り、面取りをし、
皮の面の一部分をヘぐ(皮と身の色のコントラストを綺麗に見せるため)
皮の面を上にして
砂糖と日本酒とお醤油を入れ、蓋をして蒸らし煮をします
火が通ったら蓋を開け、水分が飛ぶまで煮詰めます
仕上げにみりんとサラダ油を少し入れて
照り良く煮上げます


くずきりのタラコ合え
生くずきりの水分を切り、3cmに切ります
お鍋にサラダ油を入れ、タラコの皮を除いたものを入れて
ほぐすように混ぜます
切ったくずきりを入れてタラコをまぶし、
良く混ざったら火をつけ、
くずきりが透明になるまで炒めます


菜の花の辛子浸し
菜の花の茎の太い部分を除き、
多めに塩を入れたお湯でさっとゆがきます
和辛子を練ったものを、
カツオ出汁と少なめのお醤油に溶き、
菜の花を浸します



良い年をお迎えくださいますよう


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2 Comments

ジャム  

あけましておめでとうございます。
今年も楽しい一年にしていきたいですね。
料理とっても美味しそうです(^_^)

2017/01/01 (Sun) 21:38 | EDIT | REPLY |   

えるて  

ジャムさま へ

おめでとうございます

そしてはじめまして ^_^
良き一年の始まりでありますように

2017/01/03 (Tue) 14:47 | EDIT | REPLY |   

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