立春 初候:東風解凍(こちこおりをとく)



巨勢山こせやまのつらつら椿つらつらに見つつ偲ばな巨勢の春野を (万葉集)





今日は立春。

旧暦においては、一年の始まりです。



「椿」は、木偏に春と書くとおり、

春を先駆けて咲く花です。

古事記や日本書記にも登場し、

古くは「海石榴」と書きましたが

これは山茶花のことで、

椿と姿が似ているためか

混同されていたようです。



椿にかかわらず

冬にもつやつやと葉の照る常緑樹の多くは

永遠の命の象徴であり、

古来より、破邪の霊力を持つ

神聖な木として扱われてきました。



その良い例に

平安時代においては

正月上の卯の日に

宮中において邪気払いに用いた卯杖に

椿の木を用いていたと

延喜式にあります。



ちなみに節分は立春の前日で、

暦の上での冬の最期の日。

旧暦においては大晦日にあたります。

節分の邪気払いに用いるひいらぎは

木偏に冬と書いて柊。

ひいらぎも常緑樹ですね。



折口信夫の「花の話」には

椿も柊も、中国から拝借した漢字ではなく

日本で作られた「国字」だとあります。



森羅万象にやおろずの神を頂いた

いにしえの日本人が

どのようなことに心を動かされてきたのか、

この一文字からも

伺い知れるように思います。





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花材:やぶ椿 山茱萸(サンシュユ)

花器:胡銅華瓶(室町時代)




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