俵屋さんのみかんゼリー


いまの時期、
京都の俵屋旅館に宿泊すると
お夕飯後の水菓子に
温州みかんのゼリーが出されます。

初めて頂いた時は、
京都でいちばんの旅館が
あまりにも普通過ぎる素材をデザートに用い、
それも普通でない美味しさに仕上げていらっしゃることに
びっくりしました。

2回目に頂いた時は
その作り方をぐるぐる想像しました。

ゼリーを作るにはゲル化させるために
寒天とかアガーとかゼラチンを使用します。
食感も固まる温度もそれぞれ違います。
俵屋さんの温州みかんのゼリーは
間違いなく、
ゼラチン由来のふるふるとした食感です。

お味も、美味しいみかんそのものなので、
良いみかんさえ選んで
そっと絞ってジュースを取れば、
あとはなるべく余計な物を加えずに
ほんの少しのレモンと砂糖で良いはずです。

ゼラチンを60度程で煮溶かす為に、
1/4程のジュースを使いますが、
それ以外の3/4のジュースは
室温でゼリー液とあわせてしまいます。
その方がフレッシュ感が強いからです。
お味を見て、少しお砂糖を加えようとか
レモンを加えた方が…などと調整して
皮に流し込んで冷やし固めて頂いていました。

その後、3回目に俵屋さんで頂いた際は
そのヴィジュアルに唸りました。
みかんの皮を器に使っているのですが、
何が不思議って
皮よりもゼリーが
ぷっくりと盛り上がっているのです。
自分で作って頂いてみたからこそ、
その違いがはっきり見て取れました。

これは、
あとは容器に入れて固めるだけに仕上がったゼリー液を
氷水の中でボウルごと冷やし、
固まりはじめてゼリー状になったらすぐに
スプーンですくって皮に詰め
皮より少し盛り上げて
冷蔵庫でしっかり冷やすからこそ、
このような形になるのだ、とわかった時は
さすがに唸りました。

そのような詰め方をしようとも
お味は変わらず同じなのですが、
このぷっくり感が
知らず知らずのうちに
お客様にもたらす幸せ度と言ったら、
比類ありません。

普通の素材を
吟味して、
最良の形に作り上げる。
これこそご馳走です。

お作りになってみたい方は
ゼラチン5gを50ccの水でふやかし、
みかんジュースを300cc程の割合で。
みかんによりますが、
砂糖はジュースの1割程。
レモンはお好みで。
柔らかめでふるふるです。

俵屋さんのレシピではなく
わたくしが真似をして調整したものですが、
どこの家にもある「みかん」が
ご馳走に変身します。


20161215.jpg

俵屋さんでは、ゼリーの真ん中に
ミントなどの葉があしらわれます




関連記事
スポンサーサイト

4 Comments

式田香甫  

おはよう御ざいます おみかんゼリーのお座布団は笹の葉で編まれたのですか いつもながらステキな演出ですネ (京都に居ながらというか居るからか俵屋さんも他の老舗旅館をお訪ねしたことが有りません)

2016/12/16 (Fri) 05:49 | EDIT | REPLY |   

ジュリアンの夢  

好事福盧(こうずぶくろ)

寺町通りの「村上開新堂」で出していた洋菓子を思い出す。開新堂の初代が明治の末年に考案したものとか。紀州蜜柑のゼリー状のお菓子である。
よく京都に行った時、お土産にしたものだが、庶民には高価で家族に「これからは止めた」と宣言して、それ以降食していません。懐かしい思い出です。

2016/12/16 (Fri) 07:44 | EDIT | REPLY |   

えるて  

式田香甫 さま

こんにちわ
お座布団にまで目を遣って下さってありがとうございます ^_^

シャガの葉を、腰紐を五角形に結ぶように畳んであります。
ちょっとしたお手土産用に作ったものですから、
お座布団付です(笑)

2016/12/16 (Fri) 13:20 | EDIT | REPLY |   

えるて  

ジュリアンの夢 さま

あぁ、好事福蘆ですね!

あれよりも俵屋さんのは、
随分柔らかいです。
持ち運びによって崩れるという可能性を
考える必要がないから
可能な限り柔らかくできるのだろうなぁと想像しています。

平野神社のところのクリケットのゼリーも
ゼラチンでしっかりしていたような。

老松の夏柑糖なども、しっかりしていますよね。
あれは寒天だったかと思います。

いずれにせよ
毎日のおやつに求めるお値段ではなく。
御手間賃だから仕方ないよなぁと思います。
チョコレートなどと同じですね。
お手間を頂戴しているのだから
お値段も必定。

自分で作れば
良いみかんを使っても
たかが知れています。

今の時代はお手間を買うのが
あたりまえの時代なので、
辰巳芳子先生が
「ポテトチップスなんて
自分で揚げれば数十円ですよ」
と仰っていたのが
今は昔の物語のようだなぁと思います。

2016/12/16 (Fri) 13:44 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment

←お返事は基本当ブログ内で致します。ご面倒をお掛けしますが再度お越し下さい