立冬 次候:地始凍(ちはじめてこおる)


器を洗う水が手に冷たく感じ、
温水を使おうとして
それが今年はぴったり立冬の日だということに気が付きました。

今朝はベランダの手すりが
霜のような細かい水で白く覆われていて
文字が書ける程でしたが、
まだ霜柱が上がるような冷え込みではありません。

霜柱といえば、もう何年も前に
「シモバシラ」という山野草を植えました。
数年で大きな株になり、
秋に白い地味な花を連ねて咲かせます。

冬は地上部が枯れてしまうのですが、
確か年の瀬の頃だったか、
冬が厳しかった年のことです。

朝、家族を見送った後
何も咲いていない庭に目を落としたところ
ピンポン玉程の
見たこともないような不思議な形の白いものが
土の上に何個かありました。
近寄ってみたところ、
新体操の選手のリボンがひらひらしたような形の氷が
地面からにょっきりはえていました。

シモバシラの植えてあったあたりで
土の上に残った枯れかじけた茎の周りに
現代アートのような造形の氷が出来ていて
氷の花束のようでした。

思わずしゃがみこんで観察しましたが
昼頃見ると、消えています。

それから毎朝のように見ていたのですが
ぐっと冷え込む朝は、
同じ場所で
毎回違う形の氷が出現するのです。

このシモバシラは名前の通り
茎が枯れた後も道管に水が吸い上げられ、
その水が凍ると茎から氷柱ができる植物だということを
後になって知りました。
まさかいい大人になって
霜柱の形に驚き、
寒い朝を待ち遠しく思う日が来るなんて
思ってもいませんでした。

そういえば、「凍る」と「氷る」は、何が違うんだろう?
と疑問に思っていたことを思い出し、
良い機会なので辞書を引いてみました。

「氷る」は、水や液体が氷になることをいいます。
「凍る」は、水以外のものをいいます。

現代の表記では
動詞は「凍る」を用い、
名詞は「氷」とする、と辞書にあります。
そして「氷」の正字(元来の字)は「冰」で、
「氷」は略字なのですね。

サンズイはちょんちょんっと三角で「三水」なのに対して、
氷の結晶を意味するニスイは
二角なので「二水」です。

「氷」は水がこおった様子ですが
「凍」のつくりの「東」は「重い」という意味に繋がって、
物が凍ると重い感じになることから
こおる意味を指す、と
大漢語林にありました。

確かに、地面が凍ると
動かすことも出来なくなり
柔らかい状態より重く見えるます。
硬さがかもし出す重量感は、確かにありますね。

そんなことを想いつつ、
「東」は「重い」という意味につながるとは?と
またまた疑問が涌き
「東」を調べたところ、
想像してもいなかったことが書いてありました。

東という字は、
袋の両側をくくった形にかたどられているそうです。
その重い袋を動かすさまから、
万物を揺り動かす太陽の出る方向、
東の意味を表し、
それゆえ東という字は
重いという意味に繋がっているのだそうです。

では「西」は?

こんなふうに疑問が続くままに辞書を繰っていると
延々時間だけが過ぎていってしまう初冬の一日です。


20161112.jpg



花: 鬼灯 ストロベリーツリー 飯桐
器: 連弁残欠 葉型打出茶托


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2 Comments

葉月  

はじめまして

はじめまして。八王子の葉月と申します。
素敵なブログですね。
今日は森の秋を感じるかわいらしい作品ですね。
私も生け花が好きですが、
今は猫二匹いるのでできません。
これからも楽しみにしています。

2016/11/16 (Wed) 16:19 | EDIT | REPLY |   

えるて  

葉月 さま

はじめまして

楽しんで頂けたら、嬉しいです。


> 今日は森の秋を感じるかわいらしい作品ですね。

ありがとうございます。

実は、10月28日の文面に出てきた
善女竜王のお軸に心が残っていて、
お供え物をする心持ちで入れてみました。
こんなに可憐なのだから、
唐銅を使ったどーんと立派な立華ではないだろうなぁ、と。
なので足元が連弁で、
ほおずきが胴の打ちだしの葉っぱに乗っているのです。

うふふ ^_^






2016/11/17 (Thu) 10:05 | EDIT | REPLY |   

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