価値観


良い器をお使いですね、と
お褒め頂くことがあります。

中には頑張って購入したものもありはしますが、
私はお大尽ではないので、
骨董屋さんや茶道具屋さん達から見れば
手頃な物を使っているな、
と思われるような物がほとんどです。

それゆえ
高価な物は少ないのですが、
強いて言うとすれば
工業生産の量産品が少ないのだと思います。

どこの街にもある花道具屋さんなどで
気軽に手に入る花器に
実際花に添うと感じるものも
私自身が魅力を感じるものも
多くないのです。

新しい物の持つすがすがしさ。
逆に、時間を経た古淡さ。
人が大切に使ってきた物が身に纏っている雰囲気。

どのような物にも
良いところもあれば
難儀な点もあります。

すごく素敵だけど高すぎる、とか。
自宅のインテリアとは合わない、とか。
手頃で良い形なのだけど素材感が今一つ、とか。

財力も見識も好みも人それぞれですが、
そんな中で
失敗しない器の入手方法があります。

その時出しても良いと思う金額の中で
すごく好き!と思う物だけを買うことです。

言い換えれば、
自分の気持ちに嘘をつかないことです。

花は生活の中では「ごちそう」にあたります。
ぺんぺん草だろうと、
気持ちのごちそうであることに違いはありません。
たまたま手元にあったコップを使う
という気軽さとは別に、
わざわざ購入して用意する際に
「大好きだから」とか
「とても素敵だから」という理由ではなく、
「安いから」とか
「手頃だから」いう理由では
何かが違うと思うからです。

形のある物は残ります。
何度となく、視界に入ってきます。
妥協のあり方によっては
魂が穢れてしまうのが
もっとも疎ましいことだと思うのです。

手取り十数万円のOLさんが
ヴィトンのバッグを「えいっ!」と買うのに似たような心意気と、
沢山の物を見て、出会いを待とうという熱意があれば、
私の持っている程度の器は
(購入頻度や数は別として)
誰でも買うことができると思います。

買えない、のではなく
多くの場合は「買わない」。
もしくは「その値段を払っても買いたいと思わない」
だと思うので、
自分の価値観を認めて大事にできるかどうか。

つけられた値段は絶対的な数値ですが、
それをどう感じるかは人それぞれで、
相対的であるがゆえに
買わないことが悪いわけではなく、
買わない自分を見出すことで
別に開ける道もあるとも思うのです。


20161001.jpg


花: 美男蔓 はなみずき
器: 須恵器 扁壷

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4 Comments

おはな  

はじめまして、おはなと申します。
ぶれない美意識、すごいなあと思いました。
そう、確かに。大好きなものと出会った時は問答無用。
気に入らないものは敷地内にも置きたくない。ふふ。
今はお金が無いので、
買えるものは見に行かないようにしています。(笑)

2016/10/02 (Sun) 01:25 | EDIT | REPLY |   

えるて  

おはな さまへ


はじめまして ^_^

今回のような
金銭感覚にもつながる話は
批判めいて受け止められる方もおいでかもしれない、と
緊張感を持って書きました。
なにがしか
良きものを感じ取って頂けたらば
本当に嬉しく思います。

同時に、
ゆるがない「好き」と出会うためには
数を見続けねばならないかもしれません。
目も好みも年とともに成長し、変化するからです。

いつか器を連れて帰る日のために
どうぞお出かけになって
沢山ご覧になって下さいませ ^_^

2016/10/02 (Sun) 16:15 | EDIT | REPLY |   

さと由季  

おはようございます

またまた 背筋がピンと伸びました朝でございます。
"自分の価値観を認めて 大事にできるかどうか"
心に 響きました。ありがとうございます。

2016/10/03 (Mon) 10:10 | EDIT | REPLY |   

えるて  

さと由季 さま

そう言って頂けると、ほっとしました。
暖かいお言葉、ありがとうございます。

私の言ったような姿勢って
自問自答と共にあって、
優しいか、厳しいか、のどちらかと言うと
間違いなく後者です。

そういうことを見つめなくて済む人生は
ほっこり穏やかで羨ましいなぁ、
とも、正直思うのです。

でも、おっとりとした人に産まれつかなかったのは
仕方のないことで、
とどのつまり
愚痴を口に出すことが
自分の負担になるから
なるべく言わないで済ませたいんだなぁ
と我ながら思いました。

とほほ (*_*)


2016/10/03 (Mon) 18:21 | EDIT | REPLY |   

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