清明 末候:虹始見(にじ はじめてあらわる)


すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。
これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。

    旧約聖書 創世記 9章 
    ノアの契約より  



実は、虹を見たことって
ほんの数える程しかありません。

もう15年も前、
ブルックリン植物園で「桜祭り」のポスターを見付け
日程を確かめたところ、
4月の下旬開催とありました。

確かにNYは東京に比べると緯度も高くて
少し寒いのです。
でも4月の下旬?と訝しく思いつつ
園内を散策したところ、
関山や鬱金(ウコン)など八重の遅咲きの桜が
幾何学的にきっちりと植えられていて
いろいろ納得しました。

ソメイヨシノに特別な執着さえなければ、
少し暖かさが増した頃に
長めに咲く八重桜は、
フェスティバルの日取りに
気を揉まずに済むので打って付けです。

ただし、アメリカは(州にもよりますが)
公共の場所や公園などでの
飲酒は禁止されています。
なので、桜は目で愛でるのみ。

DCのポトマック河畔も同じく
酔っ払いは一人としていません。
桜の下で酌み交わしたい私達には
少々物足りなく感じましたが、
行き交う人の笑顔を見ていると、
ただただ春の陽気と桜の花を
穏やかに愛でるのも
良いものだなぁと思いました。

ブルックリン植物園 2016桜祭

植物園の園内は広く、
遠くの植え込みのスプリンクラーが回り、
夕方の赤い日差しと水しぶきの交わる中に
小さな虹が現れていました。

英語の「rainbow」は 「rain+bow」 
つまり「雨の弓」という意味で、
なんとも抒情的な響きです。

虹の形が弓形であることに違いはありませんが、
旧約聖書の中で弓というと
神の武器の意味を持ちます。
この弓から放たれる矢は
電光となって
ソドムとゴモラの街を焼き尽くしました。
雷となって大洪水を呼び
ノア達は舟で彷徨いました。
その弓を雲の中に虹として置くことで
もう生きとし生けるものを滅ぼさない、という
神の意思表示であり、契約なのです。

その壮大なスケール感は、
鎌倉時代に盛んに描かれた
山越しの阿弥陀図にも似て、
圧倒されます。

Descent of Amitabha over the Mountain

  絹本著色山越阿弥陀図 (京都・禅林寺(永観堂)所蔵)


知るという事は、
知らなかった頃には戻れないということでもあり、
虹を、ただただ綺麗だとは
見られなくなりました。


20160414_n.jpg


花: 花水木 石菖 都忘れ しのぶ
器: 箕




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