霜降 次候:霎時施(こさめときどきふる)


これが発明されたら
間違いなくノーベル賞!
と言われるものの一つが
傘を使わずとも
雨に濡れない雨具だそうです。

それほど人は
人の意思ではどうしようもない
雨に泣き、雨に喜び。

「いつしかそれを克服してしまいたい」
なんて意識することもないぐらい
当たり前のこととして
潜在的な野望を持っているのでしょう。

そんな道具ができたら
さぞかし便利だろうなぁと思うと同時に、
人智の及ばない自然や神への
恐れや敬いを身の内に備え、
享受している者でもありたいと思うのです。


世界中の神話には
雨神が必ず出て来ますが、
日本では雷神スサノオがそれにあたります。
他にも水の神様つながりで
善女竜王や他の神々が続きます。

長谷川等伯の描いた善女竜王の一幅を
拝見したことがあるのですが、
その場で地団駄踏みたくなるほど
可愛らしく、
それでいて高貴で
品格を身に纏っています。

Zennyo Ryuo - Hasegawa Touhaku

善女竜王 七尾美術館

こんな姫神様がいらしたら
大変な騒ぎに違いない…などと思いつつ、
じーっと見つめていて
この眼差しは
どこかで見覚えがある…と記憶を巡らせたところ、
思い出しました。
岸田劉生の「麗子微笑」です。

麗子像を東博で初めて観た際は
むしろモナリザの影響を受けていると感じたのですが、
麗子の表情が
アルカイク・スマイルに通じて見えるからか
仏像に通ずるまなざしのように感じる方もいらっしゃるでしょう。
それゆえ、私のように
善女竜王と重なって見えても
不思議はないと思うのです。

しかしながら
等伯の描く善女竜王の頭の上から
こちらをにらむ竜は、
純潔の乙女にだけ心を許すと信じられていた
ユニコーンのように
姫神さまに寄り添って見え、
何かこちらにむかって物言いしているかのようにも、
ちょっとひょうげても見え、
それ故この二人が
水の神様であることを
忘れてしまいそうになります。

霧降の侯の間、
立冬までに吹く北風を
「木枯らし」と呼ぶそうです。
一雨ごとに寒さが増して参ります。

20161028.jpg


花: ヒヨドリジョウゴ ヒヨドリグサ 
器: 尊式華瓶 (江戸期)




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