秋分 次候:蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)


どこに植えられているのか
姿は見えませんが、
ここ数日で
金木犀の濃厚な香りが
漂い始めました。

この香りと出会うと
もう秋も本番だと感じるのですが、
夏が戻ってきたような蒸し暑さの中で
密度の高い香りと出会うと
少々閉口してしまいます。

そんなことを感じつつ
庭の角を曲がったら
椿の木にもう、早々と花が咲いていて
はっとしました。
夏の残影の中に
冬の入り口を見る思いがしたからです。

この椿は「西王母」という名前です。
極早咲きの椿ですので
9月の終わりから咲き始めます。
私の知る限り、
季節に先駆けて
どの椿よりも早く咲きます。
淡桃色で、ぽってりふっくらと一重に咲く姿が
西王母が茶花として好まれる理由なのかな、と思います。

枝を手折ろうとしたら、
緑色のバッタが2匹
草むらから飛び出してきました。
大きいのと、小さいのです。

そういえば、庭でカマキリをみたこともあります。
大きなカエルも。
近くに沼や池のある家など見当たらないのに
どこから出てきたのかと思うほど大きなカエルでした。
おそらく庭で冬眠しているのだと思います。
都心であるにもかかわらず
鳥も虫も多い土地で、
鳥に関しては、
そう遠くないところに
大きな公園が二つあるせいかもしれません。

そういえば大工さんが
「この辺り一帯は空襲を受けて
焼き尽くされたから、
土を1mも掘ると
どこでも赤茶色い土の層に当たります」
とおっしゃってました。

その話を聞いた時は
当たり前のことなのにショックで
いろいろ考えてしまったのですが、
焼き尽くされた中で
虫の小さな命が保たれたとも思えず、
そのような由来のある土地ならば
このバッタのご先祖様は
どこから来たのか…と
はたと考えてしまいました。

冬眠することも
越冬することもないバッタの
卵の旅路を思う日です。


20160928.jpg

花: 西王母(椿)
器: 枯れ蓮








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