朝顔


朝顔は、秋の七草の一つです。
多くの方が夏の花という
印象を持たれているかと思いますが、
我が家の朝顔は梅雨明け頃から
10月の半ばぐらいまで咲いているので
秋の花と言われても
そんなに違和感はありません。

それもこれも万葉集で山上憶良が詠んだ歌の中に
秋の七草のひとつとして
朝顔が挙げられているからなのですが、
万葉集が8世紀中頃の成立であるのに対して
朝顔の花が中国から伝来したのが
奈良時代の末期、
つまり8世紀の終盤であることから、
ここで言う朝顔は、
朝方ぱっと開く
桔梗やむくげだったのではないかと
想像されているのです。


朝顔ほど多様に変化した植物もない、
と言われるぐらい
私達が目にする朝顔の殆どが園芸種です。
江戸時代には朝顔の大ブームが起きて
黄色や黒の朝顔も出来たとか。
もっとも、そのような朝顔は
種を作る能力が低いとか、
発芽率が低いとかで
一代限りで終わってしまうことが
殆どだったそうです。

植物も人の世も同じですね。

湯布院の崖に這いあがって
群れて自生していた朝顔が
原種に近いのではないか、と
知人が種を採取し分けてくれたものが
今年もこぼれ種で花を咲かせてくれています。

この朝顔に限ったことではなく、
人の手の加えられていない花は
どうしてこうも魅力的なのかな、と思います。
昼顔もその一つですが、
紫陽花も椿も、
原種に近い物ほど
飽きることがありません。

珍しい花を、
少しでも大きな花を、と
人が努力し交配していく中で、
ある一線を越えてしまうと
奇形のような異形の姿に見えてしまうことがあります。
立派ね、と口々に褒めたたえていらっしゃる方々が
殆どだと思うのですが、
ギクリとした表情になられる方を時折目にすると
心の中で頷いてしまいます。

人が欲を尽くして命を操作し続けた結果、
この世の物として
何かがバランスを欠いてしまったせいではないかと
思うのです。



20160828.jpg


花: 朝顔 枯蓮 薄
器: 胡銅 仏花器

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