菩提樹


はじめてインドボダイジュを見たのは
釈尊の誕生日、灌仏会の日でした。

椿や菜の花など
たくさんの草花を飾った花御堂とは対照的に、
唐銅の浄瓶に一枝、
すとんと
さしてあったのですが、
不思議な形の大きな葉っぱに
目が吸い寄せられました。

菩提樹の下で釈尊が悟りを開いたことから
この木は仏教の三大聖樹とされていますが、
いわゆる「菩提樹」と呼ばれている木は
本物の菩提樹ではないのです。

日本で菩提樹と呼ばれる木は
栄西が中国より持ち帰った物がはじめと言われていますが、
本物の菩提樹(インドボダイジュ)は熱帯性ゆえに
中国では育ちにくいため、
インドボダイジュに似た木を
菩提樹として扱っていたため、
結果、日本の「菩提樹」は
本物のボダイジュではありません。

本物のボダイジュ「インドボダイジュ」は
インドでは「森の王」と呼ばれています。
自生地を鑑みても寒さに弱く、
氷点下では枯れてしまうことが殆どなので、
現代の日本でも
屋外で生えていることは稀で、
小石川植物園や
夢の島海浜公園の温室で
見ることが出来ます。

我が家では
2階のベランダで鉢植えにしていて、
越冬時は雪をかぶることがないように
気を付けています。
春先に葉を落とし、
ゴールデンウイーク頃新芽がふきます。
オレンジがかった新芽はとても美しいです。

週末訪れていた台北では、
松山空港近くに
大きなインドボダイジュが
街路樹として植わっていました。

うだるような暑さの中、
わずかな風を受けて
葉が擦れ合い
かさこそと音を立ていたのですが、
インドではその音を
神話に登場する精霊達の音楽だとして、
木の下は神聖な場所なのだとか。

台湾に限らず
他の東南アジアの国では
庭にテーブルと椅子を出して
涼んでいらっしゃるのを
よく見掛けますが、
インドボダイジュの下においては
葉擦れの音はさながら音楽会であり、
精霊から力をもらえる
聖なる場所でもあるのかもしれません。


20160710.jpg


花: インドボダイジュ オリエンタルリリー
器: 李朝天目瓢型瓶写


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