春分 次候:櫻始開(さくら はじめてひらく)


桜の「さ」    


はる(春)という言葉の「は」は、
はら(原)、はらう(払う)、はれ(晴れ)、はるか(遥か)、はる(墾る)などの語幹と同じで、
障害なく見通しがきくという意味だそうです。
(大野晋 「古典基礎語辞典」より)

冬籠りの季節が終わり、
芽の張る(はる)春(はる)を迎える。

一つ一つ意味のある音の連なりで
言葉はできているんですね。

桜という名前の語源には
所説あるようですが、
その中の一つに
「さ」の神さまに起因するという説がありました。
「さ」の神は「作神」、
つまり農耕の中でも一番大事な
「稲」の神様です。

その神様が
稲作を見守るために依る神坐=「くら」が
サクラの木なのです。

お花見は、
春になってさの神様をお迎えし、
桜の花の咲き方で
今年の稲作を占い、
お神酒をお供えし
そのお下がりを皆で頂戴する神事だったのでしょう。

日本酒は、お米が原料です。
食物が簡単に手に入らない時代、
主食をお酒造りにまわすということが
どういうことか、
少し考えてみれば
簡単に想像がつきます。
それを飲んで
酔っ払った状態を
神様の憑依だと感じた名残からか、
今も日本人は
酔っ払いに寛容な民族なのでしょう。

思えば、「さ」という音に続く言葉で
稲作や農にまつわる物のなんと多い事か。

たまにめくる本の中に
民族の歩んで来た道を
垣間見る思いです。


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花: ヤマザクラ
器: 唐銅 把綿花入

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