立秋 初候:涼風至(すずかぜいたる)


本日から暦の上では秋。

もう、秋です。

照りつける太陽の強さに
秋とも思えず、
「これから日一日と秋の気配が深まって参りますよ」
ということと捉えております。


東京ではお盆は7月に行われますが、
私の生家の辺りでは月遅れで行われるため
七日盆(なのかぼん)の日でもあります。

月遅れの盆の中日は15日ですが、
その準備としてお墓の掃除をしたり
檀家衆が寺の境内まわりの草刈りやお掃除をしたりと
お清めを行います。

何処までが寺の土地なのかわからないような
自然の丘陵の上に建つ山寺では、
早朝から草刈り機の音が
そこかしこでこだまします。

去年ご主人を亡くされた
腰の曲がられたご婦人は、
小さな鎌を持って
アスファルトの際の刈り残しを
丁寧に浚っていらっしゃいました。
お若い頃は美空ひばりに似た
きっぷの良いお姿だったなぁと思いだすにつけ、
時間の経過を嫌でも思い知らされます。

地方によって
盆の行事もさまざまでしょうが、
私の知人のご実家の地方では
七日盆に水浴びを行う風習があるそうです。

草刈り、お掃除、水浴び、仏具磨き。

清めは、
穢れを払い
厄病から逃れることにも
通じているのでしょう。

新暦で行われることの多い「七夕」は
中国の陰陽五行説における「七夕(ひちせき)」や
古事記にも書かれている「棚機女(たなばたつめ)」の習慣など、
実はいろんな風習が混ざったものです。
仏教の影響もあり、
お盆の精霊棚とその飾りの幡から
「棚幡(たなばた)」と呼ばれるようになったとの説もあります。

江戸時代までは
七夕は盆行事の前準備のような性格を持っていました。
月遅れで盆行事を行う所で
今でもその性格を有しているところもあり、
たとえば
仙台の七夕祭りや
山口の七夕ちょうちん祭りは
月遅れの8月7日前後に行われます。

月遅れの盆行事は
新暦と旧暦の折衷案なのですね。

本来盆行事は秋に行われるものでした。
新暦の梅雨の最中では
どうもしっくりこないと思う人達が
折衷案を採用なさったのでしょう。


新暦で盆行事を行われる地方では
七夕とは切り離されてとらえられるようになりました。

旧暦で行われる場合、
今年は9月15日が
旧盆の中日に当たります。

立秋とはいえども
うだるような暑さの中、
蝉の声だけ聞こえる青空が
なんとなく物哀しく感じる時は
お盆のせいもあるのかな、と思います。

ちなみに、旧暦においては
神様やご先祖様は
1月15日と7月15日に
戻って来ると考えられていました。
7月15日が「祖霊祭」つまりお盆で
1月15日は「小正月」と呼ばれていました。
小正月の一週間前は
「七日正月」と言い、
今は七草粥を頂く行事として残っています。

いまほど化学が進んでいるわけでも
便利なわけでもなく、
命があっけなく失われていた時代は
神代の神話の時代の
遠い昔の話ではなく、
実は私達が顔を知っている
親戚や近所の方々の
子供の頃まで続いていました。

自分達の努力や意思の力だけでは
どうにもならない
災難や厄を逃れられますように、と
日々の生活の中に
散りばめられた季節の行事が、
遺伝子までも操作できる
今と言う世の中で薄れてゆくのも
必定なのかもしれません。



20160807.jpg 

花: 山栗 稗
器: 須恵器 壷(奈良時代)


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