籠の花入

籠に花を入れようと手に取った際、茶席において「籠の花入れは風炉の季節、つまり初夏から秋に用いるもの」という風潮になったのは、近代に入ってから…ということをふと思い出しました。明治の初め頃だとしても、まだ100数十年前のことです。ただし唐物籠という種類のカゴは上記の範疇ではありません。この籠は、室町から江戸初期に招来された主に中国の明の時代の物ですが、炉の季節も使用が出来るとされている理由を鑑みるに格調...

金継ぎ

ちょっと傷が付いたり欠けたりしたものをすぐに捨てるのは忍びないと思う方です。そういうタチなのと数年程前に金継ぎを覚えたのとで、落として割ってしまったりチップやひび割れのある器が何個か集まったらまとめて直すようにしています。とは言っても本漆ではなく、「新うるし」を代用しての直しなのでとても気軽なものです。割れていれば瞬間接着剤で元の形にくっつけ、砕けてしまったところやヒビなどのわずかな隙間は金属用の...

花器の竹の落としの修理

直接水を入れることの出来ない籠やカビの生えやすい竹花入れ、水の漏れやすい土器などの器にはその器の材質や雰囲気に適した「落とし」を用います。落としの材質は陶磁器や竹、ガラスや金属などさまざまです。そのなかでも「竹」は器に馴染みやすい素材である反面、十文字などの花留めを内側に張って圧力を掛けることにより竹の繊維に添って割れが生じたり、重い木質のものをどんっと入れるような不注意によって底にあたる節の部分...

干る

古い寺院建築が好きです。法隆寺や室生寺でしみじみ時間を過ごした後、江戸期に建立されたお寺に行くと木材を見て「あぁ江戸の物だ」、施された彫刻を見ても「あぁ江戸だ」と感じます。その前の時代の物と比べると質感が徹底的に異なるからです。お寺の歴史は古くても、長年の間に火災などにあって建物は新しいことも良くあることです。木材に関しては、考えてみれば当然のことで、良質の木材を得ようとしたら何百年、いや1000年を...