小雪 初候:朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)

今の家に越してきた当初、庭のハナミズキは生垣を超える程度の樹高でした。今は、というと2階のベランダをはるかに超えて大きくなり春先は2階でお花見が出来る程です。10月の終わりには見事な紅葉を楽しませてくれ、11月の声を聞いたかと思うとまもなく日一日と落葉してゆき、ひとあめごとに色も葉も失せ今はもうわずかに数える程です。今月は2階のベランダの防水工事をしているのですが、日々、塗装の上に振り落ちてゆく葉っぱ...

しんぷるあっぷるぱい

リンゴが美味しい季節になりました。台湾や香港など東南アジアのデパートの食品売り場では日本産のリンゴが輸入高級果物として売られていて、ちょっとびっくりします。マンゴーやライチがなるような暑い国ではそれも道理なのでしょう。午後のお茶のお供に、頂いたリンゴでささっとアップルパイを作りました。アップルパイにもほんとうにいろんな種類があります。私が一番よく作るアップルパイは、タルトタタンに似て、リンゴは濃い...

小雪 初候:虹蔵不見(にじかくれてみえず)

虹の色の数はいくつですか?と聞かれればほとんどの日本人は7色だ、と答えると思います。「万有引力の法則」で著名なニュートンは暗い部屋の中に入って来る一筋の太陽光をガラスで出来た三角柱(プリズム)で屈折させる実験をしました。その実験で、白く見えていた日光が虹のように何色にも分散され、実は太陽の白色の光は世の中のすべての色が混ざっていること、そして色によって屈折する角度が違うことを確かめたニュートンは、...

立冬 末候:金盞香(きんせんかさく)

ここで言う金銭の花は春先に花壇で咲くマリーゴールドに似たオレンジ色のまぁるい花ではありません。水仙の花の真ん中の黄色いところを黄の杯(金盞)、まわりを囲む白いはなびらを銀の台(銀台)に喩えて「金盞銀台(きんせんぎんだい)」と中国で呼び習わしたことによる水仙の花の異名です。ここでは「香」と書いて「咲く」と読ませていますが、これはまぎれもなく花の香りに由来するのだと言える程水仙の香りは花としても格別で、思わ...

立冬 次候:地始凍(ちはじめてこおる)

器を洗う水が手に冷たく感じ、温水を使おうとしてそれが今年はぴったり立冬の日だということに気が付きました。今朝はベランダの手すりが霜のような細かい水で白く覆われていて文字が書ける程でしたが、まだ霜柱が上がるような冷え込みではありません。霜柱といえば、もう何年も前に「シモバシラ」という山野草を植えました。数年で大きな株になり、秋に白い地味な花を連ねて咲かせます。冬は地上部が枯れてしまうのですが、確か年...

立冬 初候:山茶始開(つばきはじめてひらく)

花という漢字は、「はな」と発音します。何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、元々日本では、お花に「はな」と発音する名前がついていたわけではなかったようです。いや、正確に言うとお花を意味する固有の単語がなかったようなのです。「はな」という音を持つ漢字を羅列してみると、一つの法則に気が付きます。鼻端塙放つ離す話す口から出た言葉は自分の身から離れてゆきます。何かを放っても自分の身から離れてゆ...

霜降 末候:楓蔦黄(もみじつたきばむ)

このあかるさのなかへ ひとつの素朴な琴をおけば 秋の美しさに耐えかねて 琴はしづかに鳴りいだすだらう   「素朴な琴」 八木重吉都心では良い気象条件が揃わないと紅葉に恵まれない年も多いです。ベランダの芦の葉が紅葉したことは2度しかなく、落葉樹の葉っぱが赤や黄色に変わることなく気が付くと朽ち葉色に縮まるのも、珍しくありません。時期もぐっと遅く極月の声を聞いてからということもしばしばです。そんなふうな...