雨水 末候:草木萠動(そうもくめばえいずる)

今時分の草木が萌芽する頃、野や山から枝を手折って持ち帰ると、葉やつぼみが開くまで それが何の木なのかわからないことがあります。暖かい部屋の中で日一日とふくらんでくる芽を見守っているとお腹の底で小人が踊っているかのような嬉しさがこみ上げて来ます。つぼみがほころんで、「あなたはヒュウガミズキさんでしたか!」などと正体がわかると、この花をこの器にと取り合わせを考えいそいそといければそれで終わり…ではありま...

雨水 次候:霞始靆(かすみはじめてたなびく)

あるいは 天(あま)つ御空(みそら)の緑の衣又は 春たつ霞の衣色香も妙なり 少女(をとめ)の裳裾 世阿弥『羽衣』春の空、風景がぼぉっとする様子を、日本の歌の世界では日のあるうちは霞(かすみ)、夜になって月が出てくると朧(おぼろ)と呼び分けています。一つ一つの音の連続にも、「かすみ」という音にはやわらい日の光があうように思え、「おぼろ」という音には夜の月の光がぴたりとするような気がし...

雨水 初候:土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)

Spring Ephemeral (スプリング エフェメラル)スプリングエフェメラルとは落葉樹の林で木が芽吹く前に芽を出し花を咲かせ、木に葉が茂る初夏までに種を実らせ、その後地上部が枯れ翌年の早春まで休眠する草花の総称です。「エフェメラル」とは、一日しか命のないカゲロウのこと。植物としての活動時間が短いためそのはかなさをカゲロウにたとえたのでしょうか。それゆえ「春の妖精」などと呼ばれます。我が家の庭のスプリング...

立春 末候:魚上氷(うおこおりをいずる)

春は名のみの風の寒さやまだまだ寒い日が続きます。不思議とこの時分になるとガラス器を使いたくなります。日の射し方から水ぬるむ気配を感じるからでしょうか。花: 椿 梅古木器: 吹きガラス 金魚鉢(明治頃)...

立春 次候:黄鶯睍睆(うぐいすなく)

庭木の枝にミカンを半割にして刺しておくと入れ替わり立ち代わり結構な種類の鳥が飛んできます。梅にウグイスか!と思うと、たいていメジロです。引越して来た頃は野鳥の種類の多さにびっくりしたものです。大きな公園があるからでしょうか、都心の小さな庭でもベランダ越しに覗く庭木の梢に鳥のおとづれを楽しんでいます。花: 梅 白玉椿器: 川瀬忍 ...

立春 初候:東風解凍(こちこおりをとく)

巨勢山こせやまのつらつら椿つらつらに見つつ偲ばな巨勢の春野を (万葉集)今日は立春。旧暦においては、一年の始まりです。「椿」は、木偏に春と書くとおり、春を先駆けて咲く花です。古事記や日本書記にも登場し、古くは「海石榴」と書きましたがこれは山茶花のことで、椿と姿が似ているためか混同されていたようです。椿にかかわらず冬にもつやつやと葉の照る常緑樹の多くは永遠の命の象徴であり、古来より、破邪の霊力を持つ...

はじめまして

今から2000年程前の中国の戦国時代、1年を24等分して12の「節気」と12の「中気」を交互に配しその分岐点となる日に季節をあらわす名をつけました。その24節気をさらに5日ずつの3つに分けたのが72候で季節の気象や動植物の変化を表しています。日本では江戸時代頃から使われていたようです。元々は中国の気候を元に作られていますので日本独特の気候を補足するために節分や彼岸や八十八夜などの「雑節」を加えて日本の旧暦は出来て...