上空から見る風景

先週末、熊本空港に向かって飛行機が高度を下げている最中、阿蘇の頂上を南側上空から望んでいた際のことです。阿蘇は近くに見えましたがそれでも5kmやそこらは飛行機と離れていたはずです。その距離でもはっきりとわかるぐらいに山々の頂きがショッキングピンクに彩られていることに気が付きました。夕焼けの時間ならばまだしも丁度お昼時です。どう考えても某かの花の色で、それがびっしりと絨毯の如く阿蘇の山肌を覆ってミヤマ...

パラダイス

五月の陽光のまぶしさに随分前に旅をしたスペインのアンダルシア地方を思い出しました。アンダルシアは中世ヨーロッパで唯一イスラムに統治された土地だったそうです。中東から見ればスペイン南部はむしろヨーロッパの中では一番遠いじゃないか…と思ったのは現代に生きる私の浅はかさで、その昔陸路が発達していなかった時代は地中海を船で来てしまえばスペインの南部は風を背に帆を張った船にとってはすいすいと、他の地よりも侵...

その先にあること

先日のことです。又木を作るため何度も何度も切り直しているうちにある瞬間切り詰めすぎてしまってすとん、と器の中に落としてしまった方がいらっしゃいました。よくあることなのです。仕方なく2つ目をお作りになっていましたがそれも駄目にされてしまって、3つ目でようやく留めることに成功なさいました。又木にしても一文字にしても丁度良い寸法はほんの2mmの差もない中で決まりますから作る際に四苦八苦なさるのは不思議でもな...

お花が上手になりたいですか?

どうやったらお花が上手になりますか、という問い程返答に悩む質問は、ありません。花を器に上手に入れたい。どこかの流派に属して型を学んで、その型に沿って花をいれることで上手に入る。それで良いならば洋でも和でも型を自分で考え出したかと思う程自分と型が一体化するまでとことん学べば良いのだと思います。しかし型を持たず自分の世界観を花に投影する「なげいれ」の世界において、花の上手を言葉で表すことは、とてもとて...

知る嬉しさ わかる悲しさ ②

30代の頃は毎週のように美術館に通い、いろんな物を見ました。でも青磁に関しては相変わらずわからなくて、闇夜の黒塀に梯子をかけて昇っているごとしで進めども進めども目が後退しているのか進んでいるのかも見当がつかない、とずっと思っていました。どうわからなかったのか具体的にいうと、600年前のオリーブグリーンの素晴らしいといわれる青磁色がくすんで汚い色に見えたり。1000年前の大皿とフグ刺しの乗っている数千円の青...