お花が上手になりたいですか?

どうやったらお花が上手になりますか、という問い程返答に悩む質問は、ありません。花を器に上手に入れたい。どこかの流派に属して型を学んで、その型に沿って花をいれることで上手に入る。それで良いならば洋でも和でも型を自分で考え出したかと思う程自分と型が一体化するまでとことん学べば良いのだと思います。しかし型を持たず自分の世界観を花に投影する「なげいれ」の世界において、花の上手を言葉で表すことは、とてもとて...

知る嬉しさ わかる悲しさ ②

30代の頃は毎週のように美術館に通い、いろんな物を見ました。でも青磁に関しては相変わらずわからなくて、闇夜の黒塀に梯子をかけて昇っているごとしで進めども進めども目が後退しているのか進んでいるのかも見当がつかない、とずっと思っていました。どうわからなかったのか具体的にいうと、600年前のオリーブグリーンの素晴らしいといわれる青磁色がくすんで汚い色に見えたり。1000年前の大皿とフグ刺しの乗っている数千円の青...

知る嬉しさ わかる悲しさ ①

名曲とか名画、名品はどうして名画で名曲で名品なのか。その定義ってなんだろうと考えたことがあります。結果、私の答は単純でした。多くの人の心にとても深い印象を残す、それゆえ沢山の支持を受ける、それが「名」とつく理由だと思います。たとえばモナリザを世界で一番の名画だと教科書で教えたとして。画学生や画壇の関係者ならば兎も角しみじみと本物のモナリザを見たことのある人がはたしてどれだけいるだろう?と思うのです...

価値観

良い器をお使いですね、とお褒め頂くことがあります。中には頑張って購入したものもありはしますが、私はお大尽ではないので、骨董屋さんや茶道具屋さん達から見れば手頃な物を使っているな、と思われるような物がほとんどです。それゆえ高価な物は少ないのですが、強いて言うとすれば工業生産の量産品が少ないのだと思います。どこの街にもある花道具屋さんなどで気軽に手に入る花器に実際花に添うと感じるものも私自身が魅力を感...

世阿弥 その4

『よき劫の住して、悪き刧になる所を用心すべし』という世阿弥の言葉があります。「劫」という字は、「途方もなく長い時間」という意味を持ちます。よき劫って何だろう…と思っていたところ、「この芸能を習学して 上手の名を取りて 毎年を送りて 位の上がるを よき劫と申すなり」とありました。つまり、長い時間をかけて得た「芸の境地や功績」みたいな感じでしょうか。しかしそれに慢心し停滞することが功績がアダとなった状態な...