心眼で見る線 ④

次に花の方から見てみます。花が入ったまま、落としを器から出してみました。ガラスビンの中に注目してみて下さい。何本もの枝がクロスしている場所が見えるかと思います。意識してここで交わらせているわけではありませんが花が入り終わった後にこのような形になることはしばしばあります。扇でいうところの「かなめ」にあたるのかな、と思います。花を入れる際、器にどのように入れていくか算段をする際に、実はこの「かなめ」の...

心眼で見る線 ③

以下の写真をご覧ください。両方同じ花(トサミズキと藪椿と梶苺)が入っています。さっとなげいれただけの花で、落としごと花を器から器に移してみたのですが、どちらの方が良いですか?花を見て「気持ち良い」と感じる理由を言葉に表すのは簡単ではなく、なおかつ言葉にする過程で消えてしまう何かがあるため、分析することにためらいがあります。分析すれば、その結果は流派いけばなでいうところの「型」にあたるような位置にあ...

心眼で見る線 ②

何も考えずに器の中に花を入れることはとても簡単です。器の口に花をぽんと差し込んで自然に草木が留まるところで手を放すだけです。留まり所がなければ、草木の足元は器の底まで達するのみです。その状態で花は、美しく入っているでしょうか。そして器や花の延長線を想像したとしたら、どんな線描が描かれているでしょうか。正直、何も考えずに投げいれた姿が美しければ良いのになぁ、と思います。いじり倒していないのである種の...

心眼で見る線 ①

器と枝をぼんやりみていてふと、思いました。花を入れる際、そこに実体はないのだけれど眼には見えない線や交点などを知らず知らずのうちに意識しているのです。線が眼に見えない理由ですが、それは器のエッジの描く曲線の延長線であったりとある枝の先っぽの延長線と他の草の延長線の「交点」であったりとつまり、想像上の線で実体はないのです。しかし、その想像は妄想ではなく、実体のある器や植物の実線が仮に自然に延長して伸...

春は土物

気の早い春一番が吹き荒れはしたものの、三寒四温の名の通りまだまだ寒い日には厚手のコートが手放せません。昔から、春一番は嬉しい春の訪れの先駆けである反面、自然災害を引き起こす恐ろしさも秘めていました。強い南風故の海難事故や、突風による竜巻、急に温かくなることでの雪崩や融水による洪水などです。江戸末期の頃、壱岐の猟師達が漁に出ていた際、春一番の強風に煽られ船が転覆し50人以上の犠牲者が出るという悲しい...