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花の兄 ③

梅は、梅干しや梅酒などが伝統的な食品であることから、もっとも日本的な植物の一つだとお思いになる方も多いでしょう。しかし、花の咲いた枝を切りいざ器に入れようと意識的に向かい合うと、大陸の雰囲気の強い「唐ぶる」花なのだなぁ、と感じます。枝の角度にしても、ぎゅうっと力が溜まる元枝に対して小枝はさあっと力が逃がれ、孫枝はくくっと持ち上がって生えている、といった按配で、ぐっと屈曲したところに緩急がついてある...

花の兄 ②

「花の兄」など、梅の花に異名は多いのですが、謡曲の「老松」の一節にこのようなくだりがあります。  唐の帝のおん時は 国に文学さかんなれば 花の色を増し 匂い常より勝りたり 文学すたれば匂いもなく その色も深からず さてこそ文を好む木なりけりとて 梅をば『好文木』とは付けられたり実際には唐の帝の御代ではなく、時代をさかのぼること数百年晋の時代の哀帝の御代のことだそうですが、そういえば学問の神様菅原道...

花の兄 ①

今年は暖冬で、年の瀬からマンサクなど春の花がほころびて予想外のことに慌てていました。梅も、いつもより2週間から一か月も早く咲き始め、これは2月にはもう散ってしまうのではないかと危惧していたのですが、季節の帳尻が合ってきたのか寒緋桜の咲き始めている脇で梅が見ごろを迎えています。梅は、冬の終わりの早春の頃他の花々に先駆けて咲くことから「花の兄」と呼ばれたり、同じく春告草、匂草、風待ち草などと言われること...

一年が巡りました

立春も過ぎ、brogという形での発信を始めて一年が経ちました。二十四節気七十二候を一年かけて追うことは想像していたよりもずっと深いところで勉強になりまた、自分の無知を改めて知る機会でもありました。書いた文章を今読み直してみると、我ながらほっこりした気持ちになるものもあれば、この花はイカン…季節が巡ったら入れなおして写真を差し替えねば、と思っているものもあります。おそらくこれから文章も花も過去に遡ってち...

大寒 末候:鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)

鶏卵は、最も安価で手に入れやすいご馳走の一つではないでしょうか。調理の仕方で七変化するのも魅力的です。江戸時代のレシピで茶碗蒸しの原型になったという玉子ふわふわ、京都南禅寺の「瓢亭」の名物で半熟玉子の最高峰「瓢亭卵」、完璧な半熟具合の親子丼、モンサンミッシェル名物のような泡立てた玉子で作るオムレツ、菱岩のお弁当に入っているような箸先に出汁が滲む寸前の玉子焼き、チキンライスの上でふるふるとしてスプー...

大寒 次候:水沢腹堅(さわみずこおりつめる)

寒中見舞いを拝見していて、そもそも「寒」はいつなのか、という話題になりました。暦の上では冬至から数えて15日後が寒の入り、つまり二十四節気の小寒からです。小寒の始めから大寒の終わりまでのほぼひと月が「寒中」、もしくは「寒の内」と呼ばれる厳冬期に当たります。「寒」の時期が終わると次は立春で、節分の日を境に「寒開け」となります。立春までまもなくの今時分は俳句の世界では「春隣」という季語が使われ、まるでかたわら...

リモンチェッロ

夏の終わりから、冬を心待ちにしていました。レモンの収穫期で、無農薬の品が出回り始めるからです。それは、厳冬期にはじめる夏の準備でもあります。自家製リモンチェッロ作りです。リモンチェッロ(Limoncello)は、イタリアのレモン酒です。まっ黄色で、レモンの香りが爽やかな、甘くて強めのお酒です。普段強めのお酒など飲まないのですが、リモンチェッロだけは特別です。夏の食後のおなか一杯の時にキンキンに冷凍庫で冷やし...

大寒 初候:款冬華(ふきのはなさく)

今月の初旬の暦は「セリ」の話題でしたが、下旬は「フキ」と、この季節の山菜が大切にされてきた事の表れだなぁと思います。辞書で「ふき」を引くと、蕗・苳・款冬・菜蕗と4つもありました。一つの山菜に4種類もの漢字が当ててあるのは私の記憶では最多です。名前の由来ですが、冬に黄色い花をつけることから「冬黄(ふゆき)」が縮んで「フキ」となったそうです。黄色というよりは白っぽいクリーム色に近い花ではありますが、蝋...

小寒 末候:雉始雊(きじはじめてなく)

日本の国鳥をご存じですか?第二次世界大戦後GHQが調査をした際、当時の日本には野鳥が少なかったそうなのです。戦時中の食糧難の時代に、捕食されてしまったのかもしれません。野鳥保護の観点から狩猟法を改定し、その後「国鳥」を定めたそうです。国鳥は「きじ」です。鶴か、それともトキかしらと想像していたので以外でした。何故ならば、子供の頃年に一度は食べていたからです。「きじごはん」は、きじの肉を1cm角に切って、人...

小寒 次候:水泉動(しみずあたたかをふくむ)

今よりもずっと屋外にいる事の多かった子供の頃、雪の日に空を見上げたことがあります。晴れた日とも雨の日とも異なり目を見開いて空を見上げることができる稀な日だったからです。降り積もった雪は真っ白く美しいのに、降ってくる雪を真下から注視しても灰色の空の下綿ごみが次々落ちて来るようで上を見ていても美しくはないのです。すぐに飽きてしまいました。その「雪」ですが冬に降るものだと思い込んでいますが、一年中雪の降...

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Hi, there.

auther: えるて

  東京近郊の山里で採取した野の花や
都心の小さな庭の草木から
季節を切り取ります。
時折、食卓の話題や
日々のよしなしごとも。