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考えなければならない理由

先日、知人との会話の中でお茶の稽古の話になりました。「私達のお茶の先生はね、何を伺っても開口一番にご自分でお考えなさいって言われるの」「これで正しいでしょうか?って想像して申し上げると、そう、かもしれません…ってお答えになるの。なぞなぞみたいでしょう?」結局は自分で調べたりして後で答え合わせをするらしいのですが、クスクスと笑って説明して下さってとても楽しそうなご様子です。茶の湯にしろ花道にしろ古典...

土地の記憶

年のはてによめる昨日といひ今日と暮らして明日香川流れてはやき月日なりけり  春道列樹今年は例年にも増して旅ばかりしていました。あまりにも日常と旅が近づきすぎてどこへ行くにも大きな期待もせずに淡々と出かけるのですが、出かけた先に身を置くと、その土地、その季節特有のなにがしかの感銘があって、そういう土地の記憶が知らない間に自分の内側に降積もり影響を及ぼしていることを時々感じます。柳の理想的な姿を想像す...

短絡的

昨日初公判の「東名あおり事故」の連日の報道を見ていて、何か腑に落ちなく思えて仕方がありません。『被告の行動を起こさせる原因となった被害者の言動』までをも深く掘り下げて考慮することなくただ批判するのは、直情短絡的で恐ろしく思えるのです。実際のところ、被害者は亡くなってしまっていて詳細についてはわかりません。キレやすい未熟な大人が増えているのは周知の事実です。そういう人を「彼が一方的に悪い」と批判する...

窃盗

先日友人からメールが届きました。今月の軽井沢新聞に上越新幹線側道沿いのコスモスを5本取ったところを警察官に見られた結果窃盗で署に連れていかれ、2時間取調べを受け、写真、指紋を強要された女性の話が掲載されていたとのこと。「摘み草」といえない空気があるのでしょうか。人目をはばかりながら、摘む…?彼女のこの一文に、どきん、としました。私も彼女も沿道のコスモスを摘むことはないけれど、自分の土地以外の雑草や野...

ハロウィンとアイヒマン

渋谷の週末のプレハロウィンでふざけて軽トラックをひっくり返した報道を見てやりきれない気持ちがわいてきました。ハロウィンの「祭」は本来は「祀る」からきていますが、宗教心や思想や哲学がないと只の大騒ぎに成り果てて、たとえば国会前のシュプレヒコールの群衆しにても群衆であるということに正直不穏を感じます。ただ、そこからハンナ・アーレントを連想する私は、ちょっと素っ頓狂かもしれません。ハンナ・アーレントはド...

花を教える

もう随分前のことですが、あるお嬢さんに花を教えて欲しいと言われました。一言で「花を習う」と言ってもその幅は果てしなく広く天と地ほどの差があります。どの程度のことを考えていらっしゃるのか見当がつかなかったので、詳しくお話を伺わねばと思い「一度お茶でも召し上がりにお越し下さい」と申し上げたところ約束をした日になんと、山摘みのお花を沢山たずさえていらっしゃいました。お茶の準備しかしていなかったので面喰い...

異国の人

昨年の夏の頃、西伊豆で頂いて来たのだと言って友人が腕に一抱え程の月桃を持って来てくれました。いけてみてね、と言われたものの普段私が近しくしている見るからに日本原産の草木と違って月桃は随分と南の情緒の強い植物です。実際、熱帯や亜熱帯に分布していて日本では沖縄と九州の南端の方で自生しています。そのあまりの大きさと生命力の猛々しさに器や花合わせを考えあぐねているうちにバケツの中で枯れてしまいました。かわ...

花野の季節

秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば ななくさの花 万葉集 山上憶良こうして見てみると、万葉集に用いられている「万葉仮名」は、中国語を記すために発明された「漢字」を日本語に転用したいわば借り物なので、ある種のパズルのようだなぁと思います。例えば「八十一」を「くく」と読んだり「嗚呼」で「あ」、「三五月」で「もちづき」と読むなど謎掛けのようなものも...

夜誘花

初秋の夕暮れ時ともなると里山はあれよあれよという間に薄暗さを増し鳥の鳴き声も帰宅を急がせます。街灯に火が燈り、気が急きつつ足早に車へと向かう道すがらはじめてこの花に出逢った時の衝撃は忘れられません。薄暗闇の中でまるで美しい幽霊に出会ってしまったかのような驚きでした。妖艶さと清らかさを併せ持つレースのような稀な姿です。それが、晩秋の山で良く目にする真っ赤な実のカラスウリの花だと知ったのは随分後の事で...

風を切る

最近インスタグラムを始めていろんな方の入れられた花を拝見しています。秋海棠の花が盛りなので、多くの方が使っていらっしゃる中、あ、素敵な感性だな…と思う時は大抵大きな秋海棠の葉っぱが風を切るようにぴっと入っています。普通にぽんと入れると通常は、重力のままに大きな葉っぱの先っぽは下を向きます。秋海棠は明るく優しい雰囲気の花ですが、だらんと下がったままだと浮世の芥を一身に背負ってその重みに耐えかねて肩を...

About me

Hi, there.

auther: えるて
  東京近郊の山里で採取した野の花や
都心の小さな庭の草木から
季節を切り取ります。
時折、食卓の話題や
日々のよしなしごとも。